転籍は実質上のリストラ・・・

東京の私立大学卒業後、某大手電気メーカーに就職し真面目一筋で働き、結婚をして子供2人を得て、後は夢のマイホームまであと一歩！・・・とという段階で私は会社からリストラン勧告を受けてしまったのだ。

会社では、「転籍」という名目上で子会社に飛ばされるわけだ。

転籍とは一体何？？
出向と転籍はどう違うの？？

最初は転籍の言葉の意味と重大性に気付かなかった私だが、転籍の本当の意味を知るにつれて私は顔が青ざめていった。

出向の場合は、子会社に飛ばされても将来本社に戻れる。
そして出向の場合は本社から給料が今まで通りの金額を支払われる。

しかし、転籍の場合は、将来本社に戻れる見込みはゼロに近い。
そして給料も減らされる。

転籍の辞令を受けた会社員は自然と子会社を辞めていく・・。
また、辞めないにせよ、子会社の業績が悪ければ子会社を清算してしまう・・・。

なんてことはない！転籍は単なるリストラの先延ばしというわけです。


『なんてことだ・・・！37歳の年齢でリストラか・・！俺が今まで何をやったというんだ！会社の為に長年一生懸命働き、無遅刻無欠勤、そんな俺を会社は見捨てるのか！？』

私はリストラを受けたことで自分自身が会社には必要とされていない人間なのかという屈辱感と悲しさが込み上げてきて涙が出そうになった。

その日はまっすぐ自宅に帰ったのだが頭の中が真っ白で帰りの道中の事など覚えていない。いつの間に自宅の玄関の前に自分がいた。

「妻にはなんといったらいいだろうか？」・・・・私はいろいろな言葉を考えた。

これから私にとって苦難の道がやってくるのだろう。
そして夢にまで見ていたマイホーム実現も遠ざかっていくのだろうか・・・

⇒次回に続く

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